第57章 株式持分を取り戻す

リビングは水を打ったように静まり返り、聞こえるのは杉浦美雪と藤原智彦の荒い息づかいだけだった。

この薬は効きが異様に早い。杉浦陽向は使用人にほんの少しだけ混ぜさせたはずなのに、二人はもう理性を失っている。

「杏奈、変なこと言うな」

杉浦秀明はそう言いかけたが、目の前の杉浦美雪と藤原智彦の様子を見て、言葉が喉に詰まった。

二人とも頬を赤く染め、体温が上がり、瞳孔までゆっくりと開いていく。

杉浦美雪は喉の奥から「くくっ」と妙な音を漏らし、必死に杉浦啓介の手を掴んだ。

啓介は飛びのくように身を引く。

「美雪、おまえ……? 兄貴、こ、これ――早く医者を呼べ!」

「医者なんて呼んだら、...

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